ロマンティックな香りと灯りのお話

「魔法の庭とアラジン」(1912)
マックス・リーベルト
昔々、はるか遠くの都パリに、ナポレオン時代の重厚な木材と水晶の輝きを放つガラスでできた総合美容専門店がありました。
店の奥には幾千の金貨にも勝る、価値のある「美の宝」が隠されており、絹糸のような髪を優雅に結い上げ、繊細なプリーツスカートをまとった女官たちによって守られていました。
彼女たちの目には、知識の輝きと賢者の知性が宿り、表情には天使のような比類なき美しさがありました。
多くの勇敢な若者や探検家たちが、羅針盤と古びた地図を手に、この魅惑的な神殿への入り口を探し求めました。
しかし、誰一人としてその扉に辿り着くことはできなかったのです。まるで、その場所自体が意思を持ち、選ばれし者以外を拒絶しているかのように。
ボナパルト通りの奇跡
それから数百年が過ぎた、ある晴れた日のことです。パリの街を歩く、身だしなみをきれいに整えたひとりの美しい若者がいました。
彼は新しい冒険を求めて、賑やかなパリ6区を散歩していました。セーヌ川の近く、ボナパルト通りを通りかかったときです。
若者は、ひっそりと明かりが灯る不思議なお店を見つけました。勇気を出して扉を開けるとそこは、神々しい香りに包まれていました。若者がマッチを擦ると、揺れる炎に照らされて、見たこともないような宝物が次々と現れたのです。
キラキラ光るガラス瓶、珍しいオブジェ、色とりどりの粉、アンティークの花瓶、黄金の文字が彫られたかんざしや髪留め、香油の箱……。
そこはまるで、磨き上げられた木材と大理石でできた、小さな宮殿のようでした。
カウンターの上に、ひときわ立派なランタンを見つけた若者は、おとぎ話のように表面をこすってみました。けれど、何も起きません。
そこでふと思いつき、小さな真鍮のスイッチを、そっと押してみました。
「カチッ」
その瞬間、部屋の中はまばゆい光でいっぱいになり、天国のような素晴らしい香りが若者を優しく包み込みました。
しかし、何よりも彼の心を奪ったのは、目の前に現れた美しいオフィシエールの姿でした。
あふれる光と、かぐわしい香りの中で、二人の間には優しい愛が生まれました。
若者はオフィシエールの手を取り、ランタンと宝物を大切に、いつまでも幸せに暮らしました。香りに包まれた二人の美しさは、永遠に色褪せることはなかったのです。
ランタンは「愛」を照らし出し、あるときは子供の頃の懐かしい思い出を呼び起こしてくれます。
ときには三つの願いを叶えてくれる精霊の住処や知恵を授けてくれる声、自由な想像力の源ともなるランタンは、いつも私たちの心に寄り添い、豊かに育ててくれる、物語の主人公なのです。