『眠る女と静物』
アンリ・マティス(1940年)
ともすると絶え間ない変化と情報の渦に飲み込まれてしまう現代人にとって、ゆとりの時間を持つことはかけがえのない贅沢といえるかもしれません。
時間は、変化を認識するための普遍的な概念でありながら、その流れの早さは、時おり私たちを惑わせます。
そんな時間は、人類にとって大きな謎のひとつであり続けています。
人間を洞察し、生き方を探究するモラリスト文学の伝統を開いた『随想録』の執筆に20年を費やしたモンテーニュや、「怠惰に関する章」が収められた礼儀作法書『17、18世紀フランス 紳士淑女の社交術』を執筆したアントワーヌ・ドゥ・クルタン、“時間と空間の哲学”を追求したベルクソン、「空間」と「時間」の関係性を説いたカントなど...
これまで数多くの哲学者や思想家が時間という概念について熟考を重ねてきました。
「我々は、“現在”にいた試しがない。
我々は、来るのが待ちどおしくて、その歩みを早めさせようとするかのように未来を待ちこがれているあまり、すみやかに過ぎ去るので、その歩みを引きとめておこうとするかのように、過去を呼び返している。
我々は、“現在”についてほとんど考えない。
たまに考えることがあっても、それはただ未来を処理するため、そこから光を得ようとするためにすぎない」
『パンセ』ブレーズ・パスカル(1667年)
刻々と過ぎゆく貴重な時間の捉え方は、置かれた状況や気分に応じて変化します。
したがって、日々の生活において心地よい安らぎの時間が不可欠であることは間違いありません。
満ち足りたリラックスタイム、あるいは友人や家族とともに過ごす貴重なひとときを大切にし、かけがえのない時間への意識を高め、そうした時間を慈しみましょう。
日々の歩調をゆるめて丁寧なセルフケアを行うことで、新たな発見と自然な美しさへの世界が開けるはずです。
「時間は全てを柔和にする」
『ばか正直』ヴォルテール(1767年)
『記憶の固執』
サルバドール・ダリ(1931年)
遠出やレジャー、あるいは目まぐるしい都会のリズムによって慌ただしく過ぎてしまいがちな初夏の休日。
白ウサギのあとを追って不思議の国に迷い込んでしまうアリスのように、夢中で時間を追いかけるのをやめて、丁寧なセルフケアとともに安らぎを満喫できる贅沢な時間を過ごしてみませんか。
このニュースレターでは、安らぎのひとときと穏やかな美しさを同時に叶えてくれる、効果的なセルフケアと美容道具をご紹介します。
「現代においてもっとも贅沢なことは、
時間に余裕を持つことです。
社会は私たちの時間を奪っているのですから」
フランソワーズ・サガン