
『〈ビュリー〉が思い描く、理想のバスルーム』
サン・バイによるイラストレーション
かくして人はせっけんを作りにけり……
それに浴する手肌の歓びのために
せっけん
——それはなんと魅惑的な存在なのでしょう。
「衛生習慣の主役」と呼ぶにふさわしいせっけんは、姿・形を変えて、ありとあらゆる時代と大陸を駆け抜けてきました。
その歴史は古く、すでに古代メソポタミアでは、カリウム塩と動物性脂肪と灰汁(あく)によってせっけんが作られていたと言われています。
また、古代エジプトではナイル河畔で採れる炭酸ナトリウムの鉱石から「トロナ」というペースト状のせっけんが作られていました。
古代ローマでは、そうして作られたせっけんにブナやカバノキの木灰を加えていたこともわかっています(アルカリ性の木灰を加えることで、せっけんの洗浄効果が高まると言われていたため)。
この時代の博物学者である大プリニウスの著書には、せっけんを意味する「Saponem」という言葉が登場します。
それから時代はくだり、せっけんは「フォカイア人の街」こと南仏・マルセイユに上陸。この地でオリーブオイルと出合い、「マルセイユせっけん」が誕生しました。
せっけんの形や原料は時代や場所によってさまざまですが、これからもずっと「手のひらの中の祝福された実り」として、私たちの生活に寄り添い続けるでしょう。
おお手よ。
私たちにどこまでも尽くしながらも
何ひとつ見返りを求めない、
偉大なる創造者よ。
星たちの輝きと神々の器用さをあわせ持つ2本の手は息の合ったリズムで動き、その10本の指を巧みに動かしながら、あらゆる偉業を成し遂げます。
黄金色に輝く建造物から大理石の傑作、豊かな穀物、極上の一皿、ニ短調の調べ、歴史的な名著、さらにはかりそめの投げキッスから無言の抱擁にいたるまで、2本の手はこの世でもっとも美しい“作品”を生み出してきました。
飾らない手や働き者の手、やさしい手、不安な手、日曜大工好きの手、手入れの行き届いた手、音楽家の手、恋をしている手、園芸家の手など……ひと口に手と言っても、その種類は多種多様です。
そんな手にも、いつの時代も変わらない、あるニーズがあります。そのニーズとは、清潔な手肌を保つためのエチケットにほかなりません。
それはより良い人間関係を築くために欠かせないもの——ある人にとっては自然なしぐさである一方で、別の人にとっては一種の義務とも言えるでしょう。
いずれにしても、すべての人にとって避けては通れない習慣であることに変わりありません。

『手を洗う女』(1655年)ヘラルト・テル・ボルフ
子どもから大人まで、あらゆる世代の人たちが教わる手洗い習慣。
公衆衛生の専門家による仰々しい講義やイラストが盛り込まれた無数のマニュアル、さらには正しい手洗いができた生徒に金メダルを与えて表彰する習慣など、あるときは効果的な方法で、またあるときはそうでもない方法で、私たちは昔からその方法を教え込まれてきました。
その記憶は幼少期のノスタルジックな思い出とともに、楕円形の回転式の壁掛けせっけん(日本人には、壁に吊るしたネット入りの固形せっけんが馴染み深いでしょうか)に刻まれていることでしょう。
その一方で「手を洗う」という重要な衛生対策は、わずらわしいしぐさや場合によっては懲罰のように、私たちが積極的に行うというよりも、一種の義務としてとらえられることが多いようです。
気が進まないけれど、誰かに言われたから仕方なくそうする——喜びとは程遠い手洗い習慣は、人間の手が持つ詩情とそこから繰り出される美しいしぐさと共生することはできないのでしょうか?
衛生習慣と美、喜びと必然、より良い人間関係を築くための社会的スキルとウェルネスを実現するための義務——手洗い習慣がこれらの世界の限界に挑むときこそ、〈ビュリー〉の出番です。
私たちの使命は、日常のありとあらゆる瞬間をより美しくて豊かなものにすること。
どこまでも幻想的な方法からありふれた方法にいたるまで、せっけんの多様な形と質感と香りとともに、義務感とは無縁のまったく新しい手洗い習慣をお届けします。
「ダンベルで体を鍛えるように、
時には遊びや衛生習慣を通じて
心を育てることが大切だ」
ジュール・ルナール
私たちの生活を彩る、あらゆる形のせっけん
清潔さと美
——切っても切れない関係にあるこのふたつのテーマは、どちらも〈ビュリー〉が愛してやまないものです。
事実、このふたつが組み合わさることで、手洗い習慣は手肌を香らせるためのエレガントな“リチュアル”に変身。
多種多様なフォルムとテクスチャーが魅力のせっけんは、1日を通して繰り返される手洗いを退屈から解放してくれるでしょう。
昔ながらの手洗いが好きな方には、固形タイプの中性せっけん〈サヴォン・スゥペールファン〉がおすすめ。
ボトルの美しさにもこだわりたい人には、フレグランスリキッドソープ〈ユイル・ドゥ・サヴォン〉がぴったりです。
ノマドなライフスタイルを送る人には、持ち運びに便利なペースト状ソープ〈パット・ドゥ・サヴォン〉がうってつけ。
ここから先は、〈ビュリー〉流の素晴らしき手洗いのコレオグラフィーの世界をご覧ください。
「心の健康のためのルール
——同じことを一回以上考えないこと」
アラン